パニック障害

パニック発作

電車の中で、急に不安に襲われ、逃げ出したくなったことはありませんか?
冷や汗、動悸、息苦しさ、過呼吸(過換気症候群)、めまい、腹痛、そのほか、身体の症状がいろいろと出ます。
不安と身体の症状が、どんどんと大きくなるので、いてもたってもいられない状態となり、早く電車が止まってほしい、外に出たいと思います。
そのような発作があると、電車に乗ることが不安になり、すぐに降りて休めるように、各駅に乗るようになり、急行に乗れなくなります。

どんなところで起きる?

電車の中で起こることが多いのですが、せま苦しくて、すぐにはその場から逃げ出さないところでは、どこでも起きます。
混雑したエレベータ、すぐにその場から離れられない美容院や理容院、買い物のレジ待ちなどの行列、車の渋滞。
人が多く集まる緊張する場所、例えば、試験、会議、食事会。その人その人で、「嫌な予感」を感じる場所は違いますが、すぐにその場から逃げ出せない公共性の強い場所という共通点があります。

なりやすい性格

パニック障害にかかりやすい人は、ある特徴があるように思えます。例えば、仕事や勉強に対して真面目で一生懸命。物事に几帳面でしっかり。他人に対しては、心遣いができ、親切。ほとんどのひとが、こういう性格に良く当てはまります。

いつも、頑張ろう、頑張ろうとして、身体や心に、ストレスをいつもかけ続けているのです。
このように頑張るタイプの人は、自分の身体や心の悲鳴を聞けないところがあります。
その悲鳴がパニック発作として現れます。

予期不安

睡眠時間が短い日が続いたり、身体や心がたいへん疲れている時、突然パニック発作が出現します。
動悸、息苦しさ、冷や汗、めまい、吐き気など身体の症状とともに、これまで感じたことの無いような、不安、恐怖を感じます。
何か重大な病気があるのではないかと思って、内科に行っても、検査では何も異常がありません。
しかし、一度そういう大変な恐怖を感じると、その状況に似た場所や状況では、何とも言えない嫌な気分、不安を感じます。これを「予期不安」と言います。
最初のパニック発作が起きた場所や状況と似ているところに行く前に、何だか嫌な気分の「予期不安」を感じます。
無理してそこに行くと、また、発作が起こります。そうすると、さらに、「予期不安」が強く大きくなります。
予期不安とパニック発作を避けるために、そのような場所や状況を避けるようになります。ひどくなると、家からほとんど出られなくなってしまいます。

満員電車

満員電車は、全ての条件がそろっています。
人の混雑、すぐにその場から逃げられないこと、モワッとした空気、特に梅雨や夏、地下鉄であれば、真っ暗な閉塞感。ほとんどの人が満員電車に乗れなくなります。
急行もだめで、時間がかかっても各駅停車に乗ります。すぐ逃げ出せるように、ドア付近のところに立とうとします。音楽や、携帯などで、何とか気をまぎらわそうとします。そういういろいろな努力をして、何とか会社や学校に行こうとするのですが、ストレスの悪循環がついに限界を超えると、会社や学校にも行かれなくなってしまいます。

治療方針

悪循環を断ち切って、予期不安やパニック発作を起こすような状況に次第になれていくことが、治療方針です。
そのためには、薬物療法と行動療法の両方をあわせて行うことが重要です 。
当院では、薬だけ漫然と出すのではなく、行動療法のアドバイスをしっかり行っています。

薬物療法

以前は、抗不安薬という種類の薬が使われていました。
予期不安やパニック発作が起きそうな場所や状況に行く前に、抗不安薬を飲んでリラックスするという方法です。
それで、どうにか、発作が起きることは防げますが、予期不安がすっかり全く消えて無くなるということは、それほど無いようです。そのため、いつも、抗不安薬に頼っていなければならなくなります。
予期不安が完全に消えるまで、抗不安薬を飲んでしまうと、少し薬を使いすぎとなって、物忘れが起きたり、舌が回りにくくなったり、ふらついたり、自動車や自転車の運転で反射神経が鈍くなったり、いろいろ問題がおこることがあります。

SSRI

そこで現在は、SSRIという副作用の少ない薬が使われます。
(副作用の問題で、SSRIが使えない方もいますので、その場合にも、対処できます)
SSRIはセロトニン神経系という脳内の神経系に働きかけて、不安や緊張をやわらげます。
しかし、SSRIは効果が出るまでに、時間がかかります。数週間かかると言われています。
そして、急に不安に襲われた時に飲んでも、効果がありません。
ゆっくりと脳のストレスを取って行く薬と考えて頂ければよいでしょう。
そのため、根本的に治すSSRIと、すぐに効果が出る抗不安薬を一緒に使います。

回復の期間

SSRIが徐々に効いてくると、抗不安薬の使用量が減ってきます。
客観的に改善が見えるので、安心します。そのうち、ほとんど抗不安薬を使わなくても、予期不安が起きなくなったら、SSRIの量も減らして行きます。
人間は、嫌なことはかなり長く覚えています。
不安や恐怖は避けるという、動物としての条件反射のようなものが記憶されているからです。
どんな人でも経験したことがあるでしょうが、嫌な記憶が薄らいで行くには、時間がかかります。
そのため、パニック障害が治る(薬がいらなくなる)のには時間がかかります。
数ヶ月の人もいれば、数年のひともいます。かかる時間は人それぞれですが、薬の効果と自分を信じて行けば、必ず治る病気と言ってもよいのです。

飛行機にも乗れます

薬でパニック発作や予期不安(何となく嫌な感じ)を抑えることから治療は始まります。
パニック発作や予期不安がほとんど出なくなると、徐々に自信がついてきます。
自信がついてくると、良いスパイラルが形成されるようになり、ますます、パニック発作や予期不安が起こりにくくなります。
このように、薬物療法と、日常の生活の中の行動療法で徐々に良くなっていきます。
少しずつ自然に前向きに積極的になって行き、自信を取り戻して行きます。
満員電車や急行に乗れるようになり、美容室に行かれるようになり、高速道路の渋滞でも不安にならなくなります。
さらに、飛行機に乗って、国内線はもちろん、ハワイや、アメリカ、ヨーロッパなどの、長時間のフライトでも、不安やパニック発作もなく、行かれるようになります。
少し、工夫が必要ですので、ご相談下さい。簡単なことですので、必ず成功します。
飛行機恐怖症のかたも、同じやり方で、うまくいきますので、ご相談下さい。